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日本標準産業分類とは?調べ方、最新の一覧は?エクセル版はある?

2026.01.18

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    2026/3/18 09:29

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    日本国内のあらゆる経済活動を分類する基準である「日本標準産業分類」。ビジネスの現場では、競合分析、市場調査、あるいは公的な申請書類を作成する際に避けては通れない非常に重要なツールです。

    しかし、その項目は膨大で、「自社がどこに分類されるのか分からない」「最新のデータはどこにあるのか」「エクセルで管理したい」といった悩みを抱えるWeb担当者や経営者の方も少なくありません。

    本記事では、2026年現在も標準として運用されている「令和5年(2023年)6月改定(第14回改定)」に基づき、日本標準産業分類の基礎知識から、効率的な調べ方、そして実務に役立つエクセル・スプレッドシートへの抽出方法まで、専門的な視点で詳しく解説します。

    日本標準産業分類とは?ビジネスにおける重要性と基本構造

    まずはじめに、日本標準産業分類(以下、JSIC)の定義をご紹介します。自社、組織の分類を考えながら確認してみてください。

    統計調査の基準となる「日本標準産業分類」の役割

    日本標準産業分類は、統計調査の結果を産業別に表示するために、日本におけるすべての経済活動を分類した公的な基準です。総務省が管理しており、公的統計の比較可能性を担保する役割を担っています。

    ビジネスにおいては、単なる統計の枠組みにとどまらず、以下のような場面で活用されます。

    • 経済センサスなどの公的統計データを活用した市場規模の算出

    • 補助金や助成金の申請時における業種特定

    • B2Bマーケティングにおけるターゲット企業のセグメンテーション

    正確な分類を把握することは、データに基づいた意思決定を行うための第一歩と言えます。

    4段階の階層構造(大分類・中分類・小分類・細分類)を理解する

    JSICは、以下の4つの階層で構成されています。

    1. 大分類:アルファベット(A~T)で表される最も大きな区分

    2. 中分類:2桁の数字

    3. 小分類:3桁の数字

    4. 細分類:4桁の数字

    例えば、「情報通信業(大分類G)」の中に「情報サービス業(中分類39)」があり、その中に「ソフトウェア業(小分類391)」、さらに「受託開発ソフトウェア業(細分類3911)」といった形で、深掘りしていく構造になっています。各分類は定期的に新しく追加されたり、名称の変更が行われることがあります。

    参考:総務省-日本標準産業分類(令和5年7月告示)の解説(3,325KB)

    最新の第14回改定(令和5年6月)における主な変更点

    現在の最新版は、令和5年(2023年)6月に改定され、令和6年(2024年)4月から施行されたものです。この改定は、デジタル化(DX)の進展やプラットフォームビジネスの拡大など、経済構造の変化を反映しています。

    主なポイントは、ネットスーパーやオークションなどの新業態への対応、中間投入の概念の整理などです。改定については、後ほどさらに詳しく説明します。

    各分類別項目数一覧:全体像を把握する

    ここでは、最新の改定に基づいた全体のボリューム感を把握できるよう、大分類ごとの中分類・小分類の項目数を一覧で提示します。実務でどのカテゴリがどれほどの細かさで定義されているかを知る目安にしてください。

    各分類別項目数一覧

    全産業の合計は、大分類が20項目、中分類が99項目、小分類が536項目、そして細分類が1,473項目となっています。

    製造業(E)は細分類が598項目と最も多く、全体の大きな割合を占めています。

    大分類

    中分類

    小分類

    細分類

    A 農業、林業

    2

    11

    33

    B 漁業

    2

    6

    21

    C 鉱業、採石業、砂利採取業

    1

    7

    32

    D 建設業

    3

    23

    55

    E 製造業

    24

    177

    598

    F 電気・ガス・熱供給・水道業

    4

    10

    20

    G 情報通信業

    5

    20

    45

    H 運輸業、郵便業

    8

    33

    63

    I 卸売業、小売業

    12

    66

    205

    J 金融業、保険業

    6

    24

    72

    K 不動産業、物品賃貸業

    3

    15

    28

    L 学術研究、専門・技術サービス業

    4

    23

    42

    M 宿泊業、飲食サービス業

    3

    18

    30

    N 生活関連サービス業、娯楽業

    3

    23

    69

    O 教育、学習支援業

    2

    16

    36

    P 医療、福祉

    3

    18

    41

    Q 複合サービス事業

    2

    6

    10

    R サービス業(他に分類されないもの)

    9

    34

    67

    S 公務(他に分類されるものを除く)

    2

    5

    5

    T 分類不能の産業

    1

    1

    1

    (計)20

    99

    536

    1,473

    (出典:各分類別項目数一覧 - 総務省)

    このように、製造業(E)や卸売業・小売業(I)は項目数が非常に多く、詳細な分類が求められることが分かります。

    ~Tips:複合サービス事業(大分類 Q)とは?~
    日本標準産業分類の中で、一見すると何が含まれるのか分かりにくいのが「複合サービス事業」です。これは、単に複数の事業を行っている会社を指すものではなく、郵便局や協同組合(JAやJFなど)のように、一つの事業所において本来は異なるはずの複数のサービスを、一体的かつ複合的に提供している組織を指しています。

    主な分類例:
    ・郵便局(郵便、銀行、保険の窓口業務を一体的に提供)
    ・農業協同組合(JA):営農指導、資材販売、金融(JAバンク)、共済(JA共済)など
    ・漁業協同組合(JF)

    もし自社が複数の事業を展開していても、それらが一般的な会社組織として部門分けされている場合は、通常「最も売上の大きい事業(主業)」に分類されます。

    目的の業種を特定する!日本標準産業分類の効率的な調べ方

    膨大な項目の中から、自社や調査対象となる企業の分類を正確に見つけ出すための具体的な手順を解説します。

    e-Stat(政府統計の総合窓口)を活用したキーワード検索の手順

    最も確実で手軽な方法は、e-Stat(政府統計の総合窓口)を利用することです。

    1. e-Statの「統計分類・格付検索」ページにアクセスします。

    2. 日本標準産業分類の最新版を選択します。

    3. キーワード検索窓に、具体的な事業内容(例:「Webデザイン」「カフェ」「介護」など)を入力します。

    単語一つで検索するよりも、複数の語を組み合わせたり、類義語で試したりすることで、より適切な項目にヒットしやすくなります。例えば「介護」で検索すると10以上の項目が表示されますので、そこから最も当てはまるものを選ぶ、ということになります。

    構造からたどって調べる方法

    キーワード検索で見つからない場合や、分類の境界線にある業種の場合は、大分類から順にツリー構造をたどって調べる方法が有効です。

    例えば、「コンサルティング」関連は「学術研究,専門・技術サービス業(L)」にありますが、内容によっては「サービス業(R)」に該当することもあります。ツリーをたどることで、隣接する分類との違いを客観的に比較できます。

    日本標準産業分類の検索ページの開き方は以下のステップです。

    ①e-Stat の下部、フッターにある「統計に用いる分類・用語」をクリック。

    (▲図1. 政府統計の総合窓口(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/)より)

    ②「日本標準産業分類」をクリック。

    (▲図2. 政府統計の総合窓口(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/)より)

    ③「キーワード検索」に検索したいワードを入力し、虫眼鏡のマークをクリック。

    (▲図3. 政府統計の総合窓口(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/)より)

    判断に迷う場合の「例示」と「説明」の確認方法

    JSICには、各分類項目に対して「説明」と「例示」が用意されています。

    • 説明:その分類に含まれる活動の定義。

    • 例示:具体的にどのような事業所が該当するか(あるいは除外されるか)のリスト。

    「例示」を確認することで、「うちはIT企業だと思っていたが、実は広告業に分類されるべきだった」といったミスを防ぐことができます。

    Tips: IT・SaaS企業の分類に関する注意点
    近年のIT企業は、ソフトウェア開発だけでなく、自社プラットフォームを通じたサービス提供(広告、仲介、小売など)を行っている場合が多いです。その場合、システム開発(情報通信業)ではなく、主たるサービス内容(広告業や小売業)に分類されるべきケースがあるため、必ず「説明・例示」を確認してください。

    日本標準産業分類の一覧をエクセル(Excel)で活用する方法

    リスト作成やデータ分析のために、産業分類一覧をエクセル形式で手元に置きたいというニーズは非常に多いです。以下の手順で、最新のデータを正確に取得できます。

    e-Statから最新データをダウンロードする最短ステップ

    Excelで使いたい場合は、e-Stat で日本標準産業分類が表示されている画面で、

    ダウンロードを押下
    →CSV形式(UTF-8(BOM有り)) ※Excelでのご利用向け、を押下
    →ダウンロードできたCSVファイルをExcelで開く

    という手順になります。

    (▲図4. 政府統計の総合窓口(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/)より)

    エクセルで使用する場合は「UTF-8(BOM有り)」を選択することが重要です。通常のUTF-8形式では、エクセルで開いた際に日本語が文字化けしてしまうことがありますが、BOM付きを選択することで正しく日本語が表示されます。

    Googleスプレッドシートで活用する手順

    クラウド上で共有して作業を行いたい場合は、以下の手順でスプレッドシートに取り込むことができます。Googleドライブから開く方法とスプレッドシートから開く方法があります。

    パターン①
    GoogleドライブにダウンロードしたCSVをアップロード
    →CSVを開く

    パターン②
    スプレッドシートを開く
    →アップロードを選択して、CSVファイルをアップロードして開く

    これにより、チーム内での分類コードの共有や、関数を用いた関数を用いた自動参照が可能になります。

    実践事例・日本標準産業分類をマーケティングや営業リストに活かす場合

    調べた分類コードをどのようにビジネスに結びつけるか、具体的な活用方法をいくつかご紹介します。

    ターゲット企業のセグメンテーションへの応用

    B2Bビジネスにおいて、営業リストの精度を上げるために産業分類は欠かせません。

    例えば、「製造業」という大括りではなく、「食料品製造業(中分類09)」の中の「パン・菓子製造業(小分類092)」といった細かい単位でターゲットを絞り込むことで、より訴求力の高い営業アプローチが可能になります。

    営業活動において、企業の情報はあればあるだけ良いと思いますので、ぜひ活用してみてください。またExcelやスプレッドシートにダウンロードしておき、顧客情報と紐づけすると情報がまとまり使いやすくなります。可能であればCRM等とも連携できるとベストです。

    競合分析・市場規模調査における活用

    総務省が発表する「経済センサス」などの統計データは、この産業分類に基づいて集計されています。

    自社の分類コードを特定し、同じコードの統計データ(事業所数、従業者数、売上高など)を確認することで、市場全体の中での自社の立ち位置や、競合他社の規模感を推測することが可能になります。

    特に競合分析においては、今まで同じ分類だと思っていた競合他社が実は全然違う分類だった、ということもあります。他社の主たる事業を知ることは非常に重要です。

    日本標準産業分類の改定対応・過去の改定と今後

    日本標準産業分類(JSIC)がなぜ定期的に改定されるのか、過去の歴史を踏まえつつ、令和5年6月の「第14回改定」で何が変わったのか、そして今後実務でどのような対応が必要かをさらに深く解説します。

    時代と共に変わる「産業」を正確に捉えるためのアップデート

    日本標準産業分類は、社会情勢や経済構造の変化、技術革新によって現れる新しいビジネス形態を的確に統計へ反映させるため、定期的に見直しが行われています。

    1949年(昭和24年)の策定以来、これまでに14回の改定が重ねられてきました。以前の「第13回改定(平成25年)」から約10年ぶりに行われた今回の「第14回改定(令和5年6月改定)」は、特にデジタル化の進展やビジネスの多角化に焦点を当てた、極めて重要な変更となっています。

    第14回改定における変更ポイント

    ポイントとなるワードをまとめました。
    ・オンラインサービス
    ・オンラインプラットフォーム
    ・デジタルコンテンツ
    ・中間持株会社
    ・アウトソーシング

    上記について、実務に影響を与える大きな変更を最新の改定資料に基づいて詳しく説明します。

    デジタル経済への対応(オンラインサービスの明確化)
    ネットスーパーやオンラインオークションなど、実店舗を持たない「無店舗小売業」の区分が細分化されました。また、デジタルコンテンツの配信やオンラインプラットフォーム事業が、実態に即してより正確に分類できるよう整理されました。

    中間持株会社の分類新設
    グループ経営の効率化が進む中で、意思決定を行わない「中間持株会社」がこれまで曖昧に分類されてきた課題を解消するため、新たに専用の項目が設けられました。

    分類基準の明確化と定義の見直し
    産業の定義において、「生産されるもの(財・サービス)」だけでなく「生産のプロセス(活動内容)」をより重視するよう見直されました。これにより、アウトソーシングが進む現代の産業構造においても、活動の実態を把握しやすくなっています。

    移行への備え方・コードの整合性を意識する

    改定が行われた際、Web担当者やデータ分析者が最も注意すべきは、新旧コードの整合性です。

    • 対応表の活用

      総務省から公表されている「新旧対照表」や「対応表」を参照してください。旧分類で蓄積してきた過去の時系列データと、新分類のデータを正しく接続するためには、コードが「1対1」で移行しているのか、「分割」あるいは「統合」されたのかを確認する必要があります。

    • 社内マスターデータのメンテナンス

      施行(令和6年4月)以降の統計調査は新分類で行われます。自社の顧客データベースや営業リストの産業コードも、最新の第14回改定版へ速やかにアップデートすることが、正確な市場分析を維持するための鍵となります。

    • 説明・例示を再確認する

      これまでは「サービス業」に分類していた活動が、今回の改定で「情報通信業」や「卸売・小売業」の特定項目へ移動している等のケースがあります。判断に迷う場合は、e-Stat等で公開されている最新の「説明・例示」を読み直しましょう。

    日本標準産業分類に関するよくあるQ&A

    Q:古い改定版(第13回など)の分類コードを現在のものに変換できますか?

    A:はい、可能です。総務省のホームページでは、新旧の分類を比較できる「新旧対照表」や「対応表」が公開されています。これを利用することで、過去の蓄積データと現在の最新データを紐付けることができます。実際の紐づけ作業はご利用のデータ分析システムやExcelの仕様により異なります。

    Q:副業や複数の事業を行っている場合、どの産業分類を選べばよいですか?

    A:原則として、その事業所の中で「最も付加価値を生み出している、あるいは売上高が大きい事業」に基づいて一つの分類を決定します。これを「主業」と呼びます。複数の活動があるからといって、複数のコードをメインに設定することはできません。

    Q:エクセルで開いたときに数字の頭の「0」が消えてしまいます。どうすればよいですか?

    A:エクセルの仕様で、数字の先頭にある「0」が削除されることがあります。これを防ぐには、CSVを直接開くのではなく、エクセルの「データ」タブから「テキストファイルから」を選択してインポートし、該当する列のデータ形式を「文字列」に指定して取り込んでください。

    日本標準産業分類をマスターしてデータ活用を加速させる

    日本標準産業分類は、一見すると複雑で専門的なものに感じられますが、その構造を理解し、e-Statなどのツールを使いこなすことで、強力なビジネスデータへと変わります。とはいえ、日本標準産業分類だけが1つあっても有用なデータにはなりませんので、他のデータと連携させて使う必要があります。

    まずは、自社の事業がどの細分類に該当するのかを確認することから始めてみてください。それにより、これまで見えていなかった市場の統計データや競合の動きが、よりクリアに見えてくるはずです。

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    当記事の執筆者

    CIT経営開発事務所 代表
    井上 隆寛(いのうえ・たかひろ)

    IT・事業コンサルタント
    IT・開発エンジニア
    行政書士R6合格者未登録

    大手システム開発会社にてフルスタックSE兼Webデザイナーとして従事。2021年にコンサルタントとして独立し、企業に対するITコンサルティング・ソリューション導入支援事業を開始。2023年にはイベント企画・運営事業を新たに展開、2024年には行政書士試験に合格。現在はIT・AIコンサルティング、システム開発、エンターテイメントの3事業を柱に、企業の技術顧問や講師としてICT教育やプログラミング授業も手がける。