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カスタマージャーニーマップとは?新規ビジネスを成功に導く全手順と設計例、起業の失敗を回避

2025.11.02

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    2025/11/2 13:29

    • 戦略・フレームワーク

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    カスタマージャーニーマップとは?新規ビジネスを成功に導く全手順と設計例、起業の失敗を回避 スライド画像

    「こんなに素晴らしい商品(サービス)を作ったのに、なぜ売れないんだ…」
    「起業して数ヶ月、手応えが全くない。何が間違っているんだろう?」

    多くの起業家が陥る失敗。それは、「顧客」を置き去りにしてしまうことです。

    この記事では、ビジネスを成功へと導く「顧客視点」を手に入れるための「カスタマージャーニーマップ」について、基礎から具体的な作成手順、すぐに使える設計例まで、徹底的に解説します。

    この記事のポイントは以下です。

    • カスタマージャーニーマップが新規ビジネスに不可欠な理由がわかる

    • 顧客の「本音」を可視化するマップの作り方を習得できる

    • ビジネスに合わせたマップの具体例(テンプレート)を得られる

    • 具体的なアクションがわかる

    1「良いものを作れば売れる」は幻想。あなたのビジネスがうまくいかない本当の理由

    1-1. 起業初期に陥る「プロダクトアウト」の罠

    「自分のこのアイデアは最高だ」「この技術は他社にはない」

    起業時の熱意や自信は、ビジネスを推進する上で不可欠なエネルギーです。ですが、その思いが強すぎるあまり「作り手の論理」だけで物事を進めてしまうことがあります。

    これを「プロダクトアウト」と呼びます。

    「良いものを作れば、顧客は自然とついてくるはずだ」

    顧客が何を求めているのか、どんな不満を抱えているのかを無視して作られたものは、残念ながら「ただの良いもの」で終わってしまい、ビジネスとして成立しません。

    過去に起業がうまくいかなかった経験がある方は、もしかすると「顧客が商品にたどり着くまでの導線」や「購入をためらう理由」を見落としていたのかもしれません。

    1-2. 成功する起業家が必ず持っている「顧客視点」とは?

    一方で、成功する起業家は、常に「顧客視点(マーケットイン)」を持っています。

    • 顧客はいつどこで何をきっかけに自分たちのサービスを知るのか?

    • 知った後、どんな感情を抱き何を比較するのか?

    • 購入(契約)する際、何に不安を感じ、何を期待するのか?

    • 利用した後、満足するのか、あるいは不満を感じて離脱するのか?

    「顧客の行動と心理の全プロセス」を、手に取るように理解しています。

    1-3. 顧客の「不満」と「喜び」を可視化する地図=カスタマージャーニーマップ

    「顧客の行動と心理の全プロセス」を、旅の地図のように一枚のシートに可視化したものあが「カスタマージャーニーマップ」です。

    顧客があなたの商品やサービスを認知し、興味を持ち、購入し、最終的にファンになるまでの一連の「旅(ジャーニー)」を時系列で描き出します。

    マップを作ることで「作り手」の視点から離れ、「顧客」の視点で体験することができます。

    2. カスタマージャーニーマップの基礎知識

    2-1. 顧客の「旅」を一枚の図にする

    カスタマージャーニーマップは、特定の「ペルソナ(理想の顧客像)」が、ある目的(例:課題を解決したい、商品を購入したい)を達成するために、プロセスを時系列で可視化したものです。

    以下の要素で構成されます。

    1. ペルソナ:
      マップの主人公となる顧客像

    2. ステージ:
      認知、興味・関心、比較・検討、購入、利用・継続などの段階

    3. 顧客の行動:
      各ステージで顧客が具体的にとる行動(例:SNSで検索する、口コミを見る)

    4. 顧客の思考・感情:
      その時、顧客が何を考え、何を感じているか(例:本当に効果があるか不安だ)

    5. タッチポイント:
      顧客との接点(例:Webサイト、広告、店舗、SNS、カスタマーサポート)

    6. 課題(ペインポイント):
      顧客が不満やストレスを感じる点

    7. 改善施策:
      その課題を解決するためにとるべきアクション

    2-2. 起業家がマップを持つべき3つのメリット

    メリットは大きく分けて3つあります。

    メリット1:チーム(あるいは自分自身)の「思い込み」を排除できる

    起業家は孤独です。もしくは、少人数のチームで運営しているかもしれません。

    そんな時、「きっと顧客はこう思っているはずだ」という「思い込み」や「希望的観測」で施策を決めがちです。

    マップを作成するプロセスで、顧客へのインタビューやアンケートを経ることで、根拠に基づいた顧客理解が可能になり、独りよがりな戦略を避けることができます。

    メリット2:顧客体験(CX)の「穴(課題)」を特定できる

    「Webサイトのデザインは完璧だ。でも売れない」

    それはもしかしたら、Webサイトに来る前の「比較・検討」段階で、顧客が知りたい情報が不足しているせいかもしれません。

    マップは、顧客の旅全体を俯瞰させてくれます。

    部分最適ではなく、顧客体験(CX = Customer Experience)全体の中で、どこがボトルネックになっているのかを正確に特定できます。

    メリット3:限られたリソース(資金・時間)を最適な施策に集中投下できる

    起業初期は、広告も、SNS運用も、コンテンツ制作も、すべてを完璧にはできません。

    マップを作成し、「顧客が最もストレスを感じている課題」や「購入の決め手となる重要な接点」が特定できれば、そこにリソースを集中投下できます。

    「やるべきこと」と「やらなくていいこと」が明確になる。これこそが、新規ビジネスにおけるマップの最大の価値です。

    3. 【初心者でも簡単】新規ビジネスを成功させるマップ作成の5ステップ

    チームでも、一人でも取り組めるよう、5つのシンプルなステップに分けて作成方法を解説します。

    ステップ1:ペルソナ(理想の顧客像)を明確にする

    マップは「特定の誰か」を描くものです。不特定多数の「顧客一般」では、感情や行動が曖昧になってしまいます。

    まずは、あなたのビジネスにとって最も重要で、最も典型的な顧客像=ペルソナを設定します。

    • 年齢、性別、職業、居住地などの基本情報

    • ライフスタイル、価値観、趣味嗜好

    • ビジネスに関連する悩み、ニーズ、課題(例:起業したいが、何から手をつけていいかわからない)

    • 普段利用するメディア、情報収集の方法(例:X(旧Twitter)で情報収集、YouTubeでノウハウを学ぶ)

    (ポイント)
    データがない新規事業でのペルソナ設定のコツ

    既存顧客がいない場合、データに基づいたペルソナ設定は困難です。その場合は、以下のように「仮説」で設定します。

    想定顧客に近い友人・知人にインタビューする: 「もしあなたが〇〇に困っていたら、どうする?」と尋ねてみましょう。

    競合他社の口コミやレビューを分析する: 競合を選んだ理由、不満に感じた点は、あなたのペルソナの「声」の宝庫です。

    (もしいるなら)自分自身をペルソナにする: あなたが自身の課題を解決するためにそのビジネスを始めたなら、初期の自分自身が最高のペルソナになります。

    大切なのは、最初から完璧を目指すことではなく、「仮のペルソナ」を立てて走り出し、後で修正していくことです。

    ステップ2:ジャーニーの「ステージ(段階)」を設定する

    ペルソナが商品・サービスに出会い、最終的にファンになるまでの段階を定義します。

    ビジネスモデルによって異なりますが、一般的には以下のようなステージが使われます。

    • (例)BtoCサービスの場合:

      認知: サービス(または課題)の存在を知る

      興味・関心: 「自分に関係あるかも」と情報を調べ始める

      比較・検討: 他社サービスと比べる、料金や内容を精査する

      行動(購入・申込): 実際に申し込む

      利用・共有: サービスを利用し、感想を持つ(SNSなどで共有する)

    • (例)実店舗(カフェ)の場合:

      来店前(認知・検索): お店の存在を知る、Googleマップなどで探す

      来店・入店: お店に到着し、入店する

      注文・体験: メニューを選び、飲食する

      退店・会計: 会計を済ませ、店を出る

      来店後(再来店・共有): 口コミを投稿する、友人に勧める、また来たいと思う

    ステップ3:各ステージでの顧客の「行動」「思考」「感情」を洗い出す

    ここが最重要ポイントです。ステップ1で設定したペルソナになりきり、各ステージで「何をしているか」「何を考えているか」「どう感じているか」を具体的に書き出します。

    • 行動(事実):

      (認知)「起業 失敗 回避」とGoogleで検索した

      (検討)A社とB社の料金プラン比較表をダウンロードした

      (利用)サービスの管理画面にログインした

    • 思考(考えていること):

      (認知)「情報が多すぎて、どれが正しいかわからない…」

      (検討)「A社は安いけど、サポートが不安だな…」

      (利用)「この機能、どうやって使うんだ?」

    • 感情(心の動き):

      (認知)不安、焦り

      (検討)迷い、期待

      (利用)ストレス、達成感、満足

    ここは想像で書くのではなく、可能な限り「顧客の生の声」(アンケート、インタビュー、SNS上のつぶやき)を集めて反映させることが、マップの精度を上げる秘訣です。

    ステップ4:顧客との「タッチポイント(接点)」を特定する

    各ステージで、顧客があなたのビジネスと「どこで」接触しているかを明確にします。

    • (例)

    • 認知ステージ: Google検索結果、SNS広告、知人の紹介、プレスリリース

    • 検討ステージ: 自社Webサイトの料金ページ、比較記事メディア、口コミサイト

    • 利用ステージ: 商品本体、カスタマーサポート(電話・チャット)、使い方ガイド(PDF)

    タッチポイントがわかれば、「どのチャネルを改善すべきか」が明確になります。

    ステップ5:ペインポイント(課題)を発見し、改善策をマッピングする

    最後に、ステップ3で洗い出した顧客の「思考・感情」に着目し、特にネガティブな感情(不安、不満、ストレス)が生まれている箇所を「課題(ペインポイント)」として赤字などでマークします。

    • 課題の例:

      (検討ステージ)「料金体系が複雑で、結局いくらかかるのかわからない」(感情:不信感)

      (利用ステージ)「問い合わせても、返信が3日もかかった」(感情:怒り、不安)

    そして、その課題をどうすれば解決できるか、あるいはポジティブな感情(喜び、満足)をさらに高められるか「改善施策」を書き込みます。

    • 改善施策の例:

      → 「料金シミュレーションのページをWebサイトに追加する」

      → 「問い合わせへの一次返信を24時間以内に行うルールを徹底する」

    これで「今すぐ何をすべきか」が可視化されたマップの完成です。

    4. 【業種別】カスタマージャーニーマップの設計例

    ここでは、3つの異なる業種を例に、簡略化したマップの設計例をご紹介します。これらを参考に、ご自身のビジネスに置き換えてみてください。

    設計例1:オンラインスクール(BtoCサービス:起業支援講座)

    • ペルソナ: 会社員Aさん(30代)。副業から起業を目指しているが、具体的な進め方に不安がある。

    ステージ

    行動

    思考・感情

    タッチポイント

    課題(ペイン)

    改善施策

    認知

    SNS(X)で「起業 副業」と検索。インフルエンサーの投稿でスクールを知る。

    「こんなスクールがあるんだ。でも怪しくないかな?」(不安)

    SNS(X), Google検索

    信頼性が伝わらない。広告感が強い。

    卒業生のリアルな声(インタビュー記事)を広告に活用する。

    興味・関心

    公式サイトを訪問。無料セミナーの案内を見つける。

    「無料なら聞いてみようかな。でも強引に勧誘されそう…」(期待・不安)

    公式サイト, LP

    無料セミナー参加への心理的ハードルが高い。

    「無理な勧誘一切なし」と明記する。セミナーのダイジェスト動画を公開する。

    比較・検討

    他社スクールと料金、カリキュラムを比較する。口コミを検索。

    「料金はA社が高い。でもサポートは良さそう。B社の口コミは…」(迷い)

    比較サイト, 口コミサイト

    他社との「決定的な違い」が分かりにくい。

    サポート体制の手厚さ(例:個別面談の回数)を具体的に比較表で示す。

    行動(申込)

    無料セミナーに参加。内容に満足し、個別相談を経て申込み。

    「思ったより良かった!この人なら信頼できそう」(納得・安堵)

    Zoomセミナー, 申込フォーム

    申込フォームの入力項目が多くて面倒。

    フォームの項目を最小限にする(EFO)。

    利用・共有

    受講開始。チャットで質問。修了後、自分の実績をSNSで報告。

    「質問への返信が早い!」「同期と繋がれてモチベーションが上がる」(満足・達成感)

    学習システム, Slack, SNS

    学習システムがスマホで使いにくい。

    スマホUIを改善する。学習進捗を仲間と共有できる機能を追加する。

    設計例2:地域のカフェ(実店舗)

    • ペルソナ: Bさん(20代女性)。友人とランチする場所をInstagramやGoogleマップで探している。

    ステージ

    行動

    思考・感情

    タッチポイント

    課題(ペイン)

    改善施策

    来店前

    Googleマップで「地名 カフェ ランチ」と検索。口コミと写真を見る。

    「ここ、雰囲気良さそう!でも混んでるかな?」(期待・不安)

    Googleマップ, Instagram

    混雑状況がわからない。メニューの写真が少ない。

    Googleビジネスプロフィールで混雑時間帯を明示。魅力的なメニュー写真を定期的に投稿。

    来店・入店

    地図を頼りに来店。外観を見て入店。

    「地図通りだった。おしゃれな外観!」(安堵)

    店舗外観, 看板

    入口が分かりにくい。営業中か不安。

    オープンサインや日替わりメニューを出すA型看板を設置する。

    注文・体験

    メニューを見て注文。料理が運ばれてくる。店内で過ごす。

    「店員さんの感じが良い」「料理も美味しい!BGMも落ち着く」(満足)

    メニュー表, スタッフ, 店内BGM

    メニューが選びにくい(文字だけ)。

    写真付きのメニューブックにする。スタッフのおすすめコメントを添える。

    退店・会計

    会計を済ませる。ショップカードをもらう。

    「また来たいな。次はあのデザート食べよう」(好意)

    レジ, スタッフ

    会計時に待たされる。

    キャッシュレス決済を導入し、会計をスムーズにする。

    来店後

    Instagramに写真を投稿。友人に勧める。

    「この写真、映える!」(自己表現・共有)

    Instagram, 口コミサイト

    特に無し(満足度が高い)

    「#(店名)」での投稿を促すPOPを設置。投稿してくれた人への小サービス検討。

    設計例3:BtoBのSaaSツール(法人向け:勤怠管理システム)

    • ペルソナ: 中小企業の総務担当Cさん。紙での勤怠管理に限界を感じ、システム化を検討中。

    ステージ

    行動

    思考・感情

    タッチポイント

    課題(ペイン)

    改善施策

    認知・課題

    「勤怠管理 紙 面倒」で検索。複数のシステムの存在を知る。

    「システム化したいが、コストが心配。何が違うんだ?」(課題認識)

    Google検索, 専門メディア記事

    課題解決の必要性を感じているが、どれを選べばいいか分からない。

    「紙管理からの移行メリット」を解説する比較記事広告を出稿。

    情報収集

    各社サイトで機能や料金を調べる。導入事例を読む。

    「うちみたいな小規模でも導入できるかな?」(不安)

    自社サイト, 導入事例ページ

    中小企業の事例が少ない。料金体系が「お問い合わせ」で不明瞭。

    従業員規模別の導入事例を充実させる。シンプルな料金プラン表を公開する。

    比較・検討

    3社に絞り込み、資料請求。比較表を作成。

    「A社は多機能すぎ。B社は安いけど…。C社はちょうどいいかも」(評価)

    サービス資料(PDF)

    資料が専門用語だらけで分かりにくい。

    専門用語を解説するコラムを資料に挟む。「他社比較でよくある質問」を掲載。

    行動(問合せ)

    最も良さそうなC社にデモ(操作説明)を依頼する。

    「実際に触ってみないとわからない。しつこく営業されたら嫌だな」(期待・警戒)

    問合せフォーム, 営業担当

    デモ依頼後の日程調整の連絡が遅い。

    フォーム送信後の自動返信メールで、日程調整の最短プロセスを明記する。

    導入・運用

    デモに満足し、上司を説得。契約。社内での運用開始。

    「操作は簡単そう。でも社内の皆が使ってくれるか不安…」(不安・責任)

    導入サポート, マニュアル

    導入時の初期設定が複雑。社内への説明が大変。

    初期設定代行オプションを用意。社内説明会用のマニュアルテンプレートを提供する。

    【特典】すぐに使えるシンプルなマップテンプレート

    まずは難しく考えず、以下のようなシンプルな表(スプレッドシートやExcelでOK)から始めてみましょう。

    ペルソナ:〇〇さん

    ステージ1:認知

    ステージ2:興味・関心

    ステージ3:検討

    ステージ4:購入

    ステージ5:利用

    行動

    思考

    感情(グラフ)

    🙂

    😐

    😞

    🙂

    😊

    タッチポイント

    課題

    改善策

    ※「感情」は、ポジティブ(😊)かネガティブ(😞)か、起伏をグラフのように可視化すると、課題点がひと目で分かりやすくなります。

    5. 作成して終わりはNG!マップを生きた戦略に変える実践的活用法

    作成すること自体が目的ではありません。どう活用し、ビジネスの成果につなげるかが最も重要です。

    マップから「具体的な施策」に落とし込む

    「改善施策」を「実行可能なタスク」に落とし込みます。

    • 課題: (検討ステージ)「料金体系が複雑で、結局いくらかかるのかわからない」

    • 改善施策: 「料金シミュレーションのページをWebサイトに追加する」

    • 具体的なタスク(ToDoリスト):

      シミュレーションの要件定義

      デザイナーにワイヤーフレーム(設計図)作成を依頼

      エンジニアに見積もりと実装を依頼

      公開後、分かりやすくなったかユーザーテストを実施

    「致命的な見落とし」と改善事例

    私自身が過去にコンサルティングしたあるECサイト(こだわりの手作り雑貨を販売)の事例です。

    その起業家は「商品の品質には絶対の自信があるのに、リピート購入につながらない」と悩んでいました。

    マップを作成してみると、意外な課題が発見されました。

    • ペインポイント:

      商品購入後の「利用」ステージ。顧客は商品(雑貨)を受け取った後、「どうやって使えばお洒落に見えるか」「どう手入れすれば長持ちするか」が分からず、不安を感じていました。商品は良いのですが、使いこなせず、満足度が低下していたのです。

    • 改善施策:

      商品発送時に「お洒落な活用アイデア集」と「簡単なお手入れガイド」を同封。

      購入者限定のステップメールで、季節に合わせた活用法を定期的に配信。

      Instagramで活用事例コンテストを実施。

    結果、リピート率が約1.8倍に改善しました。

    これは、マップを作って顧客の「購入後」の感情を丁寧に追わなければ、永遠に見落としていた穴でした。

    マップは「一度作ったら終わり」ではない。定期的な見直しとアップデート

    市場環境や顧客のニーズは、驚くべきスピードで変化します。

    改善施策を実行すれば、顧客の行動や感情も変わるはずです。

    • 半年に一度、あるいは大きな施策を実行した後には、必ずマップを見直しましょう。

    • 実際の顧客データ(アクセス解析、アンケート結果、売上データ)と照らし合わせ、「仮説」と「現実」のズレを修正します。

    カスタマージャーニーマップは、一度作って額縁に飾っておくものではありません。ビジネスの成長と共に進化させていく必要があります。

    6. 【Q&A】よくある質問

    Q. データが全くない新規事業の場合、どうやってマップを作ればいい?

    A. まずは「仮説(妄想)」をしましょう。

    最初はデータがなくて当然です。

    「もし自分がペルソナだったら、どう行動し、どう感じるか?」を徹底的に想像して描いてみてください。

    その「仮説マップ」を基に、想定顧客に近い知人や友人にインタビューしたり、競合のレビューを分析したりして、仮説の精度を上げていきます。

    行動しないこと(作らないこと)が最大のリスクです。

    Q. ペルソナが複数いる場合はどうすればよいですか?

    A. 最も重要なペルソナ、または売上の核となるペルソナから1人だけ選んでください。

    マップはペルソナごとに作成する必要があります。初心者がいきなり複数のマップを同時に作ろうとすると、リソースが分散し、施策が中途半端になります。

    まずは「最も成功させたい理想の顧客」を1人選び、その人のマップ作成に集中してください。そのマップで成果が出始めたら、次のペルソナのマップ作成に取り掛かりましょう。

    Q. どのくらい詳細に作ればいい?時間がかかりすぎそうで不安です。

    A. 最初は「半日」で描き上げるレベルを目指してください。

    詳細(ディテール)にこだわりすぎて作成が進まないのは、本末転倒です。

    最初は、先に紹介したシンプルなテンプレートを使い、各ステージの「行動」「感情」「課題」を3つずつ書き出す程度でも構いません。

    重要なのは、顧客の旅全体を一度俯瞰してみることです。

    不完全でも全体像を掴むことで、最も大きな課題(ボトルネック)がどこにあるかの当たりをつけることができます。

    Q. 作成したマップが正しいかどうか、どう検証すればいいですか?

    A. 実際の顧客データと照らし合わせる、あるいは直接顧客に聞くのが一番です。

    <検証方法1:データ分析>

    • (例)マップで「検討ステージで離脱が多い」と仮説を立てた

      → Webサイトのアクセス解析で、実際に、料金ページや比較ページの離脱率が本当に高いかを確認する。

    <検証方法2:顧客インタビュー>

    • 実際に商品を購入してくれた顧客(または離脱した顧客)に、「なぜ選んだのか(選ばなかったのか)」「どのタイミングで不安を感じたか」を直接聞いてみましょう。マップの仮説と現実の答え合わせができます。

    Q.(よくある失敗)マップを作ったのに、売上が上がりません…

    A. 2つの落とし穴が考えられます。

    1. 「作って満足」している:

      マップから改善施策(ToDo)に落とし込み、それを実行しなければ、当然ながら何も変わりません。マップは「課題発見シート」であり、実行して初めて戦略となります。

    2. 「施策の実行」が目的化している:

      (例)「Webサイトをリニューアルする」という施策を実行したとします。しかし、それによってマップ上の課題が本当に解決され、顧客の感情(不満)がポジティブに変化したかを検証しなければ意味がありません。

      施策の実行がゴールではなく、「顧客の課題解決」をゴールに設定してください。

    Q. マップ作成におすすめのツールはありますか?

    A. まずはスプレッドシートやホワイトボードで十分です。

    起業初期であれば、高価な専用ツールは不要です。

    • デジタル: Googleスプレッドシート、Excel、PowerPoint

    • アナログ: ホワイトボード、大きな模造紙、付箋(ふせん)

    特にチームで作成する場合は、ホワイトボードや模造紙に付箋を貼りながらディスカッションを行うと、活発な意見交換ができ、認識のズレも防げるため非常におすすめです。

    7. まとめ

    新規ビジネスや起業がうまくいかない最大の原因は、「顧客視点」の欠如です。

    素晴らしい「プロダクト(商品)」を持っていたとしても、顧客がそれを知り、手に入れ、満足するまでの「プロセス(体験)」を見落としているかもしれません。

    カスタマージャーニーマップは、その見落としている「穴」や「顧客の不満」を可視化し、限られたリソースをどこに集中すべきかを教えてくれます。

    完璧を目指す必要はありません。

    まずは「理想の顧客」ただ一人を思い浮かべ、その人がどんな旅をしているのかを想像することから始めてみてください。

    今すぐできること:まずは「たった一人」の顧客の行動を想像してみる

    • あなたの顧客は、今朝、起きてから何をしましたか?

    • どんなSNSを見て、何にイライラし、何を検索しましたか?

    • あなたのサービス(あるいは競合のサービス)を見つけた時、どう感じたでしょうか?

    当記事の執筆者

    CIT経営開発事務所 代表
    井上 隆寛(いのうえ・たかひろ)

    IT・事業コンサルタント
    IT・開発エンジニア
    行政書士R6合格者未登録

    大手システム開発会社にてフルスタックSE兼Webデザイナーとして従事。2021年にコンサルタントとして独立し、企業に対するITコンサルティング・ソリューション導入支援事業を開始。2023年にはイベント企画・運営事業を新たに展開、2024年には行政書士試験に合格。現在はIT・AIコンサルティング、システム開発、エンターテイメントの3事業を柱に、企業の技術顧問や講師としてICT教育やプログラミング授業も手がける。