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限界費用曲線・平均可変費用曲線・平均費用曲線について解説/経済学・経済政策
2026.06.09
2026/6/10 15:10
データ分析
経済学
統計

この記事では、
・平均費用曲線
・平均可変費用曲線
・限界費用曲線
について図解付きでご紹介いたします。おさらいや練習にご活用ください。
費用
費用のポイントは以下です。
・費用関数のグラフの形状
・費用関数のグラフから、平均費用曲線、平均可変費用曲線、限界費用曲線を導く
・上記各曲線の位置関係を押さえる
総費用関数
固定費用(FC)Fixed Cost
一定で発生する費用。生産量に関わらず常に一定。
例:固定給、設備費、光熱費
可変費用(VC)Vaariable Cost
生産量によって変化する費用。逆S字型になる。
例:原材料、時給
図1.総費用曲線・可変費用曲線・固定費用曲線

総費用(C)Cost
固定費用+可変費用
固定費用は生産量がゼロだったとしても発生するので、生産量0の値は固定費用と一致する。あとは単純に固定費用に可変費用がプラスされるだけなので、可変費用曲線と形は変わらない(上にズレただけ)。
平均費用(AC)Average Cost
平均費用とは
製品1個あたりにかかる費用
のこと。
総費用(全体でかかった費用全て)を生産量(費用の全てを使って生産できた総量)で割ることで、1製品あたりの費用を算出できる。
総費用÷生産量=平均費用
図2.総費用曲線と平均費用の関係

総費用(固定費用+可変費用)の曲線上の任意の点Aの平均費用を考えると、
総費用Ca÷生産量Xa=平均費用AC
となる。このとき、原点Oと任意の点Aを結んだ直線の傾きを求める式、
Ca÷Xa=直線OAの傾き
と計算式が一致する。なので、平均費用は傾きで考えることができる。
図3.総費用曲線と平均費用曲線

生産量を増加させたときに何が起こるか考えてみよう。
点Aの先には原点Oから直線で結んだときに、
傾きが最も小さくなる点B
がある。点Bまで生産した場合、
生産量も総費用もAよりBが大きくなるが、平均費用(傾き)はBの方が小さくなる。
そして、総費用曲線上では、
点Bより傾き(平均費用)が小さくなる点はない
ので、点Bの生産量Xbが最も費用効率の良い生産量ということになる。
同じく点Bより生産量を大きくした点C、点Aより生産量を減らした点Dの傾きは点Bより大きくなる、つまり点Bより平均費用が大きくなる。平均費用は1製品あたりのコストなので、点B以外の点で生産した場合の製品のコストは点Bで生産した場合より必ず大きくなる。
総費用曲線の縦軸を平均費用(AC)に変えてグラフにすると、平均費用曲線を描ける。
費用曲線と違って
下に凸のU字型になり、最も平均費用が小さくなる点が1点存在する。
平均可変費用(AVC)Average Variable Cost
平均可変費用とは、製品1あたりにかかる可変費用のこと。
生産量に対して、発生した全ての可変費用(VC)を生産できた総量(生産量)で割ることで1製品あたりの可変費用を求めることができ、これが平均可変費用である。
可変費用VC÷生産量X=平均可変費用AVC
図4.総費用曲線と平均費用・平均可変費用

総費用は固定費用+可変費用だったので、総費用から固定費用を引けば当然、可変費用になる。
平均費用と同じように直線の傾きで求めるとすれば、グラフ上の固定費用より上の部分が可変費用になるので、総費用曲線の切片F(FC)から直線を引けば良い。
あとは平均費用と同じで、傾きが最小となる点が平均可変費用が最小になる点である。
図5.総費用曲線と平均費用曲線・平均可変費用曲線

このとき、
平均費用が最小となる点Bと平均可変費用が最小となる点B'は異なる位置に存在する。
固定費用を差し引いた分、
平均可変費用は平均費用より小さくなり、最小値も小さくなる。
切片から直線を引くので、原点から直線を引いたときより傾きが小さくなると感覚的につかむこともできる。
限界費用(MC)Marginal Cost
限界費用とは生産量を1増やした時に発生する費用のこと。
限界費用は費用曲線のグラフ上では
総費用曲線上のある1点の接線の傾き
と表現されるが、これは理解が難しいので「限界=接線の傾き」と覚えてしまった方が良い。
図5.限界費用曲線・平均費用曲線・平均可変費用曲線

総費用直線上で点をとりながら接線を求めていくと、
接線が直線OB、直線FB’が一致する点がある。この点は平均費用曲線、平均可変費用曲線の最小値の点と一致する。
過去問演習
費用について、過去問を掲載します。ぜひ挑戦してみてください。
問題
■過去問1
総費用曲線の縦軸の切片は固定費用に等しい。
■過去問2
総費用曲線が逆S字型であるとき、傾きがゼロとなる点より生産量が小さい点では費用逓増型、大きい点では費用逓減型となっている。
■過去問3
平均費用が最小のとき、限界費用も最小になる。
■過去問4
平均費用が最小化する点では、限界費用と平均費用は一致する。
解答
■過去問1
〇。※図4参照
■過去問2
✕。正解は逆で、逆S字型の傾きがゼロとなる点より生産量が小さい点では費用逓減型、大きい点では費用逓増型となっている。費用逓減とは生産すればするほど平均費用が減少していく型。費用逓増はその逆で生産量が増えれば増えるほど平均費用が増加する型。※図3参照
■過去問3
✕。平均費用が最小化する点と限界費用が最小化する点は異なる。※図5参照
■過去問4
〇。※図5参照
当記事の執筆者
CIT経営開発事務所 代表
井上 隆寛(いのうえ・たかひろ)
IT・事業コンサルタント
IT・開発エンジニア
行政書士R6合格者未登録
大手システム開発会社にてフルスタックSE兼Webデザイナーとして従事。2021年にコンサルタントとして独立し、企業に対するITコンサルティング・ソリューション導入支援事業を開始。2023年にはイベント企画・運営事業を新たに展開、2024年には行政書士試験に合格。現在はIT・AIコンサルティング、システム開発、エンターテイメントの3事業を柱に、企業の技術顧問や講師としてICT教育やプログラミング授業も手がける。


